Yuya Miki


コロナ禍になって、自分はマスメディアの情報などは余り参考にせずに(そもそもテレビなどは見ないのですが)、業界から独立した視点を持ったウイルス学者や研究者の意見や論文などを大事な情報源として当たってきました。

そんな中で知ったのがオランダのMartijn氏らによる”Can pollen explain the seasonality of flu-like illnesses in the Netherlands?”(Martijn J. Hoogeveen a, Eric C.M. van Gorp, Ellen K. Hoogeveen)という興味深い疫学研究でした。

これはインフルエンザのような呼吸器性ウイルス感染症には季節性があることが知られ、COVID-19もその例外ではなく、その抑制因子として空気中の花粉が考えらること。空気中の花粉濃度とウイルスの流行の間には強い負の相関が見られ、流行の開始と減少の予測因子として用いられる可能性があることを示した内容になっているようです。

にわかに信じ難いところもあるかもしれませんが、冒頭には近年のアレルギー疾患と免疫活性についての関係も複数の研究を引用しながら述べられています。ウイルスが上咽頭以上に主に鼻孔で増殖することにも対応しているようにも思いました。

度重なるロックダウンなど、人間が様々な施策を講じる中で、呼吸器性ウイルスの流行の消長には別の回路がある可能性が述べられているのがとても興味深いです。後半の分析過程は数式など込み入っているところがあり理解は難しいですが、前半の概要に関してはグーグル翻訳などで大意をとることは可能かと思います。

おりしも、今年も秋の草花が開花し始めています。さて、感染力の増しているというオミクロン株の流行は今後どうなるのでしょうか?



“Can pollen explain the seasonality of flu-like illnesses in the Netherlands? “(Martijn J. Hoogeveen a, Eric C.M. van Gorp, Ellen K. Hoogeveen)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC7580695/

categories